知らないと損する!不妊治療における助成金制度

2018年9月18日

不妊治療をしていて多くの人が悩むのが医療費のことです。
大半の人が「高い」と思っている通り、健康保険が適用外であることが多く、使用する医療器具もたいへん高価なことから、費用が膨らみがちです。
もちろん高度な技術をもつスタッフの人件費もあります。
こうした計算をしていくと、どうしても高額にならざるを得ないようです。
ですがクリニックを訪れた皆さんの「赤ちゃんが欲しい」と願う気持ちを知っているからこそ、私達は助成金をうまく利用しない手はないと考えています。
皆さんの心身の負担が少しでもラクになればとの思いから、今回は助成金制度についてお話していきましょう。

なぜ不妊治療はお金がかかるのか?

高額になってしまう理由のひとつは、健康保険がきかない検査や治療があるからです。
不妊治療の場合は、同じ検査を月に何度もしなければならないことも多く、健康保険でカバーされない分はご存知の通り全額負担になってしまいます。
薬も「これはこの病気に対して使う」というように適用範囲が決まっています。
たとえば同じ排卵誘発剤でも、排卵障害の治療に使う場合は健康保険がききますが、体外受精の際に行う排卵誘発に使う場合は地域によっては健康保険ではカバーされず、全額自己負担となる可能性があります。
検査の回数も重なるため、結果的に金額が大きくなります。

それぞれの治療目安

不妊治療は病院によって料金にばらつきがあります。
次の4つは、不妊治療それぞれの値段を提示していますが、各病院によって異なるので「目安としてこれぐらいかかる」とみておきましょう。

1.タイミング指導

超音波検査や頸管粘液検査などは、基本的には健康保険がききます。
ただし、ほかの治療でも行って回数が多くなった場合には、健康保険ではカバーできない分が出てきます。

費用:2千円~7千円

2.人工授精(AIH)

ケースにより、健康保険がきく場合があります。
人工授精の日程を決める検査代(タイミング指導に準じて行う)や、排卵誘発のための薬代などが別にかかります。

費用:8千円~2万円

3.体外受精

健康保険はきかないので、全額自己負担が大半です。
このほか、排卵誘発のための薬代や検査代が別にかかります。

費用:20万円~45万円

4.顕微授精

健康保険はきかないので、全額自己負担です。
顕微授精は体外受精の際に行われるので、基本的には体外受精の料金に上乗せされます。

費用:体外受精の料金+5万円~10万円

健康保険がきく治療については、ほとんど同じですが、そうではない治療に関しては差が生じてくるようです。
ここで難しいのが、「技術が確かだから高い」とか「安いから良心的」などと単純に言えないこと。
結局は医療を受ける側が、満足できるかどうかが問題です。本人の満足度が高ければ、その病院はその人にとってよい病院といえましょう。
もし不明なことや不安なことが相談しているクリニックであれば、先生に率直に聞いてみましょう。
改めて聞いてみると、案外納得する答えが返ってくることも多いものです。

助成金と医療費控除

2004年度から厚生労働省により不妊治療の助成金制度が始まりました。
これは不妊医療に携わる医療関係者や患者たちが、署名活動などを通じて長年にわたって求めてきた成果です。
まだ十分なものとはいえませんが、それでも不妊治療に対する国のバックアップ体制がようやくスタートしたといえましょう。
また、不妊治療に限らず、高額な医療費を払った場合は、税務署に申告すれば所得税が戻ってくる制度もあります。
これらを利用して、少しでも経済的な負担を軽くしましょう。

助成金や医療費控除をうけるためにも、病院の領収書は大切にとっておくことが必要です。

1.特定不妊治療費助成金(ご夫婦に対して)

特定不妊治療には、体外受精や顕微授精が当てはまります。
これらの治療費に対して、1回につき15万円(採卵を伴わない凍結胚移植などについては7.5万円)まで助成が可能です。
そのうち初回の治療費は、30万円の助成を受けられます。
通算助成回数は、女性の年齢が39歳までに1回目の助成を受けた方で通算6回まで、女性の年齢が40~42歳までに1回目の助成を受けた方で通算3回まで。
注意したいのが、女性の年齢が43歳以上で開始した治療は、助成制度の対象外となることです。
また助成対象者には、法律上の婚姻をしている夫婦(一部自治体では、事実婚も可)で、申請される地域に住民登録があることが必要です。
その他にも所得制限があり、夫婦の合計所得が730万円未満とされます。
実施条件は各自治体に任されているため、細かい規定は自治体ごとに異なるようです。
居住地の自治体に直接問合せをしましょう。

2.特定不妊治療費助成金(ご主人に対して)

特定不妊治療の内、精子を精巣または精巣上体から採取するための手術を行った場合は、「1.特定赴任治療費助成金(ご夫婦に対して)」のほか、1回につき15万円の助成があります。
ただし注意したいのが、助成通算回数はご夫婦での合算であって、ご主人のみではない点です。
医療機関で手術を受けたということが必要になり、助成対象費用は医療保険が適用外の手術代や精子凍結料に当てられます。
申請時には、男性不妊治療のみの申請ができないので特定不妊治療費助成金の申請といっしょに提出しましょう。
詳細内容は各自治体によって異なりますので、居住地の自治体に聞いてみることをオススメします。

3.医療費控除

一家の医療費の総額が年間10万円以上かかった場合、その超えた分が所得から控除され、その分の税金が戻ってくる制度です。
この場合の医療費には、健康保険がきかない治療費、通院のための交通費、薬局で買った薬代なども含まれます。
計算式は下のようになります。

1年間に支払った医療費の総額-保険金などで補てんされる金額-総所得の合計額×5%(10万円が限度)=医療費控除額(200万円が限度)

今回紹介した助成金制度や医療費控除については、「赤ちゃんが欲しい人の本」や「先生!私は妊娠できますか?」にて詳しくお話しております。
不妊治療に対してまだ政府が助成金制度を始めたばかりで、医療関係者や患者は歯がゆい思いをすることもしばしばあるでしょう。
今後、新しい助成金制度ができた際には、また皆さんにお話できればと思います。
不妊治療を受ける際には、ご自身の加入している健康保険がどこまで適用範囲なのか、助成金の申請方法はどういうものなのか調べてみることをオススメします。
不妊治療を始めるべきか悩んだときは、いつでもご相談を受け付けていますので気軽にご連絡くださいませ。
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Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ