目的別!不妊検査の選び方

2018年10月26日

治療をするためには、どこに原因があって赤ちゃんができづらくなっているのかを解明しなければなりません。
そのために行うのがさまざまな検査です。
そもそも不妊症の原因は人それぞれ違い、しかもいくつかの原因が重なり合っている場合もあります。
1回だけ受ければいい検査もありますが、毎月のようにチェックする検査もあります。
時間的にもたいへんですが、必要なことですから、それぞれの検査の目的を理解し、納得して受けましょう。
今回は男女別に不妊治療の検査の選び方についてお話していきます。

女性の検査

検査選びには、まず月経の周期が関係します。そのため、検査の順番は人によってバラバラです。
それぞれの時期に合わせた検査をご紹介しますね。

月経期中

月経期は、子宮内膜がはがれ体外に排出される時期。出血が始まった日を1日目とします。
月経周期は、通常25~35日間です。

1.月経血培養検査
生殖器の結核菌の有無をチェック。知らない間に結核菌を体内に保持していたなんてこともあります。
検査は菌を培養するため、結果が分かるまでに1~2ヶ月かかります。(なお、簡易法であれば数日で
分かります)

2.LH-RH、TRH検査
ホルモンのやりとりがうまくいっているか、および潜在性高プロラクチン血漿(血漿とは、血液成分のひとつで、血液から血球を除いた部分をいいます。)をチェック。

LH-RH検査とは、排卵に関わる脳の下垂体と卵巣との連携プレーがうまくいっているかどうかをみるために行います。
LH-RHとは、黄体化ホルモン放出ホルモンといい、ホルモンを分泌するための鍵となるホルモンです。

TRH検査は、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)という脳の視床下部から分泌されているホルモンを使って、血中の乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)の値を調べます。
普段は値が正常なのに、ストレスなどがかかるとこの値が高くなる方がいます。

卵胞期中

卵胞は、月経の終わりごろから少しずつ大きくなります。
排卵の1~2日前になると直径18~20ミリぐらいの大きさになり、成熟した卵胞へ進んでいきます。

1.超音波検査
卵胞期に大きさを計測。子宮や卵胞、腹腔などの異常の有無をチェック。
タイミング治療の際に排卵日を特定するのに役立てます。
超音波検査は、性交のタイミング指導や人工授精などを行う際に欠かせません。(別名でエコーとも呼ばれます)

2.子宮卵管造影検査
X線撮影によって子宮や卵管の形をチェック。
基本的には1回、子宮内や卵管通過性をみます。
子宮や卵管内へ造影剤(ヨード)を入れ、X線撮影をする検査です。
10分ほどの検査ではありますが、卵管を造影剤が通るときに多少痛みを感じることがあります。
痛みの有無の情報も大切なので、我慢せずに医師に伝えて下さい。

3.通水・通気検査
基本的に1回、卵管が塞がってないかどうかをチェック。
通水・通気検査では、カテーテルで子宮口から子宮内に水や空気(炭酸ガス)を送り込み、卵管が塞がっていないかどうかをチェックする検査です。

4.ホルモン検査
卵胞刺激ホルモン(FSH)、卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体化ホルモン(LH)、乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)の分泌量をチェック。
各ホルモンの分泌状態をみます。ホルモン検査は月経周期に合わせて行います。
卵胞期のホルモン検査は、FSH、エストロゲン、LHの分泌量をチェックします。

5.子宮鏡検査
子宮内の様子をチェック。基本的に1回、子宮内の病巣や炎症の有無をみます。
子宮の内部に、子宮鏡(ヒステロファイバースコープ)を入れ、先端についた小型カメラ(5mm以下)で子宮内部を観察する検査です。

排卵期

成熟した卵胞から卵子が卵巣から排出されます。
この時に精子と卵子が出会うと受精し、子宮で着床します。

1.超音波検査
排卵期の卵胞の大きさを計測。
さきほどの卵胞期での超音波検査にお伝えした内容以外にも、成熟した卵胞から卵子が飛び出したかどうかを調べられます。

2.頸管粘液検査
頸管粘液が十分分泌されているかをチェック。
タイミング治療の際には、排卵日を特定するのに役立ちます。
タイミング指導を受けている間はその都度行われます。

3.ホルモン検査(検尿)
黄体化ホルモン(LH)の分泌量をチェック。
いわゆる排卵チェッカーと呼ばれ、市販のものも存在します。
前述した検査内容に加え、排卵期にはとくにLHの分泌状態を調べます。

4.ヒューナーテスト
性交後、精子が子宮内に入っているかどうかをチェック。
性交直後の膣内粘液や頸管粘液、子宮内液を採取し、それらを顕微鏡で観察します。
検査日の朝にセックスをし、病院に行って検査を受けます。

黄体期

排卵後に黄体ホルモンの分泌が増える時期であり、妊娠または黄体退行で次に進みます。

1.超音波検査
黄体期での排卵の有無、子宮内膜の厚さを計測。黄体期にみるポイントとしては、受精卵が着床しやすいための子宮内膜が厚くなっているかを計測します。

2.ホルモン検査(採血)
黄体ホルモン(プロゲステロン)、卵胞ホルモン(エストロゲン)、乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)の分泌量をみます。

随時行われる検査

月経周期に関係なく受けられる検査が2つあります。
いずれも妊娠しづらい原因を知るために行い、早期発見に大きく貢献する検査です。

1.クラミジア抗原・抗体
クラミジアが体内にいるかどうかをチェック。
陽性の場合、抗生剤の内服による治療をカップルで行います。

2.子宮頸ガン細胞診
発生原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しているかどうかをチェック。
問診や視診、細胞診で調べます。

男性の検査

女性の検査に対し、男性の検査に時期は関係ないので、随時行われます。

1.精液検査
精巣で精子がつくられているかどうかをチェック。精液検査とは、精液を採取して元気な精子がどれくらいいるかについて調べる検査です。
精液検査の結果は、常に一定ではなくその日の男性の体調によってかなり左右されます。
ですから、1回の検査で基準に満たない場合は再検査をします。

2.精巣検査
精子の数や運動能力などをチェック。
精液検査の結果が基準以下だった場合は、その原因を探るために、精子の製造場所である精巣(睾丸)の検査をします。

いかがでしたか?検査といっても受ける時期や目的によって、調べるポイントが違います。妊娠しづらい原因を知ることで治療の幅が広がります。
今回ご紹介した検査は、「赤ちゃんが欲しい人の本(はるねクリニック監修)」から抜粋しました。
具体的な検査方法や不安なことがありましたら、診察だけでなくカウンセラーもおりますのでいつでも相談して下さいね。

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Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ