男性側の不妊原因 その3.性行為障害の診断方法と治療方法

2019年2月18日

クリニックへ相談に来る方の中には、「勃起しない」、「射精できない」などの悩みを一人で抱えている男性やパートナーの悩みをなんとかしてあげたいと思う女性がいます。
勃起しない、勃起はするものの射精できないなど、セックスがうまくできない場合を性行為障害といいます。
これらには心理的な原因が多いものです。
性行為障害の診断方法や治療方法にはどういうものがあるのか見ていきましょう。

勃起障害を「ED」といい、心因性のものと身体性のものがある

セックスのときに勃起しない、あるいは勃起しても持続しない状態をED(勃起障害)といいます。EDには、心因性のものと身体性のものがあります。

心因性の原因としては、さまざまなものがあります。
過度に緊張してしまうためうまくいかないこともありますし、初体験のときにうまくできなかったなど、過去の失敗経験によって自信喪失になっていることもあります。

あるいは、仕事上のストレスが非常に強く、心が抑圧状態にあるため、セックス時に気持ちがのらず、勃起しないという場合もあります。

これらの心因性のEDに対しては、心の問題を解決する必要があります。
対応としては、専門家によるカウンセリングなどが行われます。

また、バイアグラやレビトラなどのED治療薬が登場したことで、以前に比べ治療はやりやすくなりました。
バイアグラはペニスにある血管への血液の流れを高める薬で、それによりペニスを勃起させます。
だいたい7~8割の人に効果があります。
薬を使ったとしても、1度でもセックスがうまくいけば、それが自信となり、やがて薬なしでもセックスができることにつながっていく可能性があります。

ただ、バイアグラは心臓疾患や血管障害、高血圧、肝機能障害などがある人に対しては、使えない場合があります。
薬のほかに、勃起をサポートする補助器を使う場合もあります。

一方、身体性のEDとは、糖尿病や高血圧、肝臓病、高尿酸血症(痛風)、動脈硬化などの内科的な病気があり、その影響で勃起できなくなっている場合です。
これらに対しては、もとの病気の治療が先決となります。

勃起はするが射精できないことを「射精障害」といい、いくつかに分類される

勃起はするのですが、女性の膣内に射精できない場合もあります。
これを射精傷害といい、次の4つに分類されます。

1.膣内射精不能(マスターベーションはできるが、セックスでの射精ができない)

2.早漏・遅漏

3.逆行性射精

4.射精がまったくできない

1.膣内射精不能

マスターベーションでなら射精ができるわけですが、それはつまり刺激の強いマスターベーション(布団や手のひらを強くこすりつけるなど)でなければ射精ができなくなっているということです。
ですから、ふつうの刺激でも射精できるように、まず正しいマスターベーションのしかた(手を使った上下運動)を覚えてもらい、最終的に膣内でも射精できるようにしていきます。

それでもうまく射精できない場合は、マスターベーションで採取した精子を使って、人工授精を行います。

2.早漏・遅漏

心理的なものが多分にあるので、心因性のEDと同じように、カウンセリングなどが必要になります。
最近では、不妊治療の取り組みでタイミング指導を意識したセックスをすることで男性にとってもプレッシャーを感じ、早漏や遅漏になる人も少なからずいます。
その場合は、一度タイミング指導をお休みしてふたりの時間を過ごしてみる方法もオススメです。
どうしても赤ちゃんを作りたいという思いが、時には心を狭めてしまうことがあります。
お互いの思いがあってこその行為なので、悩まずリラックスして望める環境を作ってみましょう。
しかし年齢的に時間に余裕がないというようであれば、同時に人工授精を行います。

3.逆行性射精

本来であれば精液がペニスへ向かい射精されるのに対して、この症状は膀胱に向かって射精されてしまいます。
検査をするためには、射精後の尿を調べ、尿の中に精子が見つかれば逆行性射精となります。
この症状は、普段の生活に影響することはないため、ほとんどが経過観察となります。
ですが、不妊治療の際には精子の採取のため、膀胱内に培養液を注入して、精子を採取します。
採取した精子をHOST法(精子の運動量をみる方法)でアクティブな精子かそうでないかを見分け、人工授精や体外受精、顕微授精を行なっていきます。

4.射精がまったくできない

心理的な問題が背景に存在することが多いので、やはり専門医のカウンセリングなどが必要になります。

しかし、心理的な問題を解決するのに時間がかかりそうであれば、精巣(睾丸)や精巣上体(副睾丸)から精子を採取し、それを使って顕微授精を行う方法もあります。

性行為自体、心因性のものと身体的なものが大きく関わってきます。
悩みのタネになりやすい問題であるのに対し、適切な相談ができる場所はまだまだ少ないです。
はるねクリニックでは、女性だけでなく男性の方の相談でも利用しやすい環境を整えています。
一人で悩まず、まずは打ち明けることから始めてみませんか。


Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ