男性側の不妊原因 その2.精管通過障害の診断方法と治療方法

2019年2月8日

不妊治療において、男性側に要因があることがおよそ40~50%を占めます。
今では、男性不妊症の治療を行う医院やクリニックが増えてきましたが、女性と比べるとまだまだ足りていない現状です。
はるねクリニックでは、女性はもちろん、男性やパートナーと一緒に相談に来る方が多いです。
今回は、男性側の不妊原因である精管の通過障害についてお話ししていきましょう。

精子が精管を通過できない

正常に精巣で精子が作られているのに、精管になんらかのトラブルがあるため、精子が精管を通過できないことがあります。
これが精管通過障害です。

治療するにあたって、まず精管がきちんと通っているかを確認します。
精巣(睾丸)で作られた精子は、精巣上体(副睾丸)に蓄えられて成熟したのち、精管、精囊を通って尿道に入り、ペニスの尿道口から射精されます。

ところが、精管に異常があると、精子が先へ行くことができなくなり、精液の中に精子がいない状態になります。
このように精管の異常によって精子が出てこられない状態を精管通過障害といいます。

精管通過障害の診断は、精管が正常に通っているかどうかをみる精管精囊造影検査や、精巣で精子が作られているかどうかをみる精巣生検によって行います。

精管通過障害の原因としては、閉塞性無精子症、精巣上体炎、逆行性射精があります。

さまざまな原因によって起こる「閉塞性無精子症」

精子を運ぶ精管が部分的に欠けていたり、せまくなっていたりすると、精子が通過できずに無精子症になってしまいます。
これを閉塞性無精子症といいます。

原因は生まれつき精管にトラブルがある場合と、炎症や外傷の後遺症による場合があります。
また、幼少時の鼠径ヘルニア(脱腸)の手術の際に、間違って精管を縛ってしまい(精管結紮)、精管が詰まってしまっている場合もあります。
問題の部分が軽度であれば、手術で精管をつなげることが可能です。
たいへん細かい手術になるので、顕微鏡下手術(マイクロサージェリー)になります。
成功すれば、精子の入った精液を射精できるようになり、自然妊娠が可能になります。

一方、問題の部位が重度の場合は、手術での回復は期待できません。
この場合は、精巣や精巣上体に精子がいるのですから、それを採取し、顕微授精を行います。

炎症で精管がふさがる「精巣上体炎」

性感染症や結核などから精巣上体炎(副睾丸炎)が起こると、精管がふさがることがあります。
精巣上体炎は、急性の炎症反応として発症することや炎症が慢性化してしまうことがあります。

精巣上体炎に対しては、まず抗生物質を使って病原菌を死滅させる治療をします。
性感染症で炎症している場合は、パートナーにも性感染症の恐れがあるので共に治療に当たる必要があります。
抗生物質で炎症はおさまりますが、精管のほうは正常に戻る場合と、そうではない場合があります。

精管が正常にもどれば、精子が正常に精液の中に運ばれるようになります。
しかし、精管が正常に戻らない場合は、一般不妊治療では治療できません。
幸い、精巣や精巣上体には精子がいますから、それを使って顕微授精を行います。

精液が膀胱に射精される「逆行性射精」

精液がペニスではなく、膀胱に射精されてしまう状態を逆行性射精といいます。
性交後に尿を調べると、尿の中に精子が見つかることでわかります。

原因は生まれつきのこともありますし、前立腺の手術や糖尿病などが引き金となって起こることもあります。
原因不明のことも多いです。

手術で治すことはできないので、治療としては膀胱内の精子を採取して人工授精や体外受精、顕微授精を行います。
ただし尿が混ざった精子は使えないものもあるので、まず膀胱内を精子用の培養液できれいに洗浄(膀胱洗浄)します。
そして膀胱に新しい培養液を注入してから、マスターベーションで射精してもらいます。
膀胱から培養液を採取したらその中から精子を取り出すという方法を行います。

いずれの場合でも、精巣内で正常に精子が作られるため人工授精などを利用しいて不妊治療に当たることが可能です。
また、糖尿病などの生活習慣病によって精管通過障害が起こることが分かっています。

はるねクリニックでは、不妊治療へ取り組む方の「妊娠しやすい体づくり」をサポートするため、漢方外来や温熱療法…サンビーマー(女性)を行なっています。
重度の男性不妊(無精子症など)は、男性不妊専門クリニックを紹介しています。
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Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / お知らせ