東洋医学から見た不妊症と漢方薬

2019年4月25日

西洋医学の病気の治し方は、検査して原因をつきとめ、それにそった治療をするのが基本です。
しかし最近では、西洋医学と東洋医学の双方から不妊治療に取り組む方が徐々に増えてきました。
はるねクリニック銀座では、漢方外来を取り入れることで西洋医学と東洋医学の相乗効果で「妊娠しやすいからだつくり」のサポートをしています。
今回は、その漢方薬についてお話ししていきます。

そもそも漢方薬とは?

漢方とは中国を起源として、日本で独自に発展してきた医学です。
漢方薬に動物や植物、鉱物などの生薬を基本的に2種類以上組み合わせてできています。

東洋医学では、その人のからだ全般をみることによって、血や気の流れ、体質などをつきとめ、それを漢方薬で正すことによって病気も治そうという治療方法です。
たとえば、ホルモンのバランスが崩れている場合、西洋医学では、足りないホルモンを補充する薬を使いますが、漢方薬では、からだの調子を整えることでホルモン分泌が正常になることを目指します。

また、漢方薬で重要なのは「証」です。
「証」はその時々で変化するものですが、簡単にいえば体質のようなもので、例えば「虚証」と「実証」があります。
虚証は、やせ型で胃腸が弱く、疲れやすいようなタイプ。
一方、実証は、筋肉質のかた太りで、血色がよく、胃腸が丈夫なタイプです。
同じような症状があっても、証によって処方される漢方薬は違ってきます。

不妊に対する考え方も、まずその人の証をみて、妊娠しやすいからだをつくることに主眼がおかれます。
さらに最近では、周期療法といって、いくつかの漢方薬を月経周期に合わせて投与していく治療法も行われています。
これは、からだ全体の調子を整えながら、「よい卵子」「よい受精卵」、「着床しやすい子宮内膜」ができるようにしようというものです。

まずは西洋医学の不妊治療から

ここで注意しておきたいことが、漢方薬がすべての不妊症に効果があるわけではないということです。
たとえば卵管が詰まっていたり、他の組織との癒着がひどかったりして妊娠できずにいる場合などでは、漢方薬で治療することはできないからです。
ですから、最初から漢方薬だけで不妊症を治療しようというのはおすすめできません。
まずは病院で不妊症の検査を受け、不妊の原因をしっかり確認することが大切です。

不妊検査については「目的別!不妊検査の選び方」でお話ししておりますので、参考にしてみてくださいね。

よく使われている漢方薬

●補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力が減退し、疲れやすく食欲が出ないという時には、この補中益気湯がオススメです。
この漢方薬には、人参や甘草をはじめとした10種類の生薬が組み合わされています。
男性不妊症における勃起障害や精子の運動状態の改善をサポートする薬です。
●八味地黄丸(はちみじおうがん)
男性不妊症に関わる足腰や泌尿生殖器など下半身の機能を補い、生殖機能や排尿機能の働きを高めます。
精子の数や運動率の改善に効果が期待されます。
●温経湯(うんけいと)
不妊のサポートとして用いられる代表格。脈やおなかが弱い方、月経不順や月経困難症、更年期障害など婦人科系の不調によく処方されます。
手足のほてりや冷え性、唇の乾燥が気になる方に向いています。
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷え性や月経困難など女性特有の悩みに対してサポートする漢方薬です。
この漢方薬は、全身に大切な栄養素や熱を行き渡らせ、余分な水分を体から取り除く効果が期待されます。
●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
下半身は冷えているのに、顔がほてってつらい方やシミができやすい方、生理痛がつらい方にオススメな漢方薬です。
桂枝茯苓丸で滞った血の巡りを良くし、のぼせや足冷えなどを感じる方の生理痛や月経不順などを改善します。
●当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)
からだを温めたり、血行をよくしたりする生薬が配合されているため、冷え性などの改善に効果的です。

注意が必要な漢方薬の副作用とは?

漢方薬にも西洋薬と同じように副作用が存在します。正しく理解しながらつかえば漢方薬は、不妊治療の強い味方です。
漢方薬の組み合わせである生薬ごとに注意点があるので、気になる方は医師や漢方外来で相談しましょう。

1.甘草(かんぞう)
偽アルドステロン症を引き起こす可能性あります。アルドステロンとは、体内に塩分と水分をためカリウムの排出を促し、血圧を上昇させるホルモンです。
このホルモンが大量に分泌されると、高血圧やむくみ、低カリウム状態などになります。
甘草の中に含まれる「グリチルリチン酸」が作用することで、血中のアルドステロンが増えていないのにアルドステロン症が生じます。
甘草は1日の摂取量が重要になりますが、薬以外にも甘味料として含む食品もあるので注意しましょう。
2.大黄(だいおう)
便秘で悩んでいる女性も多く、便秘に関する漢方薬で多く処方されているのが大黄という生薬です。
この生薬を服用することで、便を送り出す腸運動を活発にしてくれます。
ですが、長期間の服用で刺激なしでは全く動かない「弛緩性便秘」になってしまいます。

漢方外来に対応しているはるねクリニック銀座
漢方薬は西洋治療のサポートとして、また妊娠に必要なからだつくりとして重要な役割を担っています。
はるねクリニック銀座では、隔週火曜日と月1回の土曜日に漢方薬剤師をお招きして漢方外来に力を入れています。
詳しくはこちらをご確認くださいね。
不妊症以外にも、月経困難症や更年期障害、男性不妊にも対応可能です。
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Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ