意外に知らない環境ホルモンと不妊症との関係

2019年4月30日

「環境ホルモン」、と聞いてピンとくる方はあまりいないのではないでしょうか。
実は近年、この環境ホルモンが不妊に関係しているという研究結果が発表される機会が多くなりました。
不妊治療にこれから取り組む方にも、すでに取り組んでいる方にも、環境ホルモンとはどういうものなのかお伝えしていきますね。

そもそも環境ホルモンとは?

環境ホルモンは、生物の体内に入ってホルモンと同じような働きをする化学物質のことです。
正式名称は「「外因性内分泌かく乱化学物質」といい、本物のホルモンの働きを乱したり、じゃましたりします。
主な環境ホルモンとしては、ダイオキシン、PCB(ポリ塩化ビフェニール)、DDT、有機スズ化合物、ビスフェノールAなどがあります。

これらの環境ホルモンがなぜ問題になるかというと、「本物のホルモンの働きをかく乱することで、性機能に異常をもたらすからです。
たとえば、20年ほど前にイギリスでは雌雄同体(オスとメスの両方の機能を持つ)のコイが多数発見されました。
調査により近くの工場から排出されたノニフェノールという化学物質が原因のひとつとして指摘されました。
このほか、精巣が小さいコイ、ペニスが小さいワニ、メスなのにオスの生殖器がついているイボニシ(巻き貝の一種)など、世界各国で異常が発見されています。

人への影響はまだはっきりしないが注意

人に対する環境ホルモンの影響はどうなのかというと、それはまだはっきりしていません。
今後のくわしい調査・研究が待たれるところです。
とはいえ、50年前に比べて男性の精子数が減少していることは世界的にわかっています。
このことと環境ホルモンは無関係ではないといわれています。
世界に先駆けて環境ホルモンの脅威を懸念したEUでは、農薬や殺虫剤の利用を原則使用禁止としました。
その理由としては、環境ホルモンに対してこのぐらいなら安全に使用できるという量(閾値)が決められないと判断されたからです。

環境ホルモンの影響は人の男性生殖器に「メス化」の傾向があらわれ、男児の先天奇形で尿道下裂や停留精巣があると報告されています。
尿道下裂はペニスの形態異常です。
では、私たちはどうしたらよいかですが、まずは環境ホルモンをなるべく避けるように心がけるほかありません。
神経質になることはありませんが、化学物質に対して注意を向けることは、将来子どもに恵まれたときに、その幼い身体を守っていくことにもつながるはずです。
できることから始めましょう。

環境ホルモンによって考えられる子どもへのリスク

環境ホルモンは、生殖系だけでなく神経系や免疫系にも影響すると考えられています。
WHOの報告書によると、環境ホルモンが野生動物や人間への脳神経に影響して認知機能やIQ低下などの悪影響を及ぼすと明かしています。
また、追跡調査にて胎児期に過ごした環境が成人後の病気に関係するとわかりました。
そのほかにも、環境ホルモンの影響で遺伝子発現のスイッチの切り替えがされ、がんの発生リスクが発生したり、次世代で病気の発現が確認されたりしています。

環境ホルモンを避けるために

環境ホルモンは、主に口・皮膚・呼吸の3つによって体内に取り込まれます。
対策として、次の項目を気にかけてみるといいでしょう。

食べ物編

1.食品添加物はなるべく避ける
2.残留農薬を避けるため野菜をよく洗う
3.食物繊維をとる(食物繊維には、小腸で有害物質を吸着させて一緒に排出させる働きがあるため)
4.プラスチック製の食器はなるべく避けるか、使用するときは加熱しないようにする
5.加工食品よりも生鮮食品をできるだけ使用する
6.輸入缶詰はビスフェノールAを使用している可能性があるため注意する
7.妊娠中の女性や子どもは、マグロやメカジキなどを食べない

化粧品編

1.妊娠中の女性は、化粧品の使用を最小限にする
2.「パラベン」「オキシベンゾン」「トリクロサン」を含む化粧品は避ける
3.「香料」が使われていない化粧品をなるべく選ぶ
4.妊産婦や子どもはなるべく入浴剤を使わない
5.子どもの染毛剤・化粧品の使用は避ける
6.「薬用(抗菌)せっけん」を使わず、なるべく普通の「せっけん」を使う

日用品編

1.妊産婦や子どものいるところでは、ガーデニング農薬や殺虫剤、ペット用殺虫剤の使用を避ける
2.新築・改築の家、新しい家具、カーペット、塗料などからの臭気を避ける
3.「抗菌」製品はなるべく使わない
4.「ポリ塩化ビニール」製品は使用を避ける
5.「防水スプレー」は使わない
6.「香料」が含まれているシャンプー、ボディソープ、柔軟剤、芳香 剤、消臭剤を使わない

ストレスを溜め込まない不妊治療

先ほども環境ホルモンについて神経質にならなくて良いとお伝えしましたが、環境ホルモンと不妊症の関係は今後も目が離せません。
何よりも不妊治療で大切なことは、ストレスを溜め込まないことです。
はるねクリニック銀座では、不妊治療に関する疑問等がある場合、生殖心理カウンセリングを実施しております。
気になる方は、お気軽にお電話してくださいね。


Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ