女性側の不妊原因 その5.性行為障害の診断方法と治療方法

2019年1月21日

赤ちゃんが欲しい!という気持ちはあるのに、セックスが苦手で男性を受け入れられないことがあります。
これも不妊原因のひとつです。
「セックスができない」や「セックスに嫌悪感がある」と悩み方は多く、なかなか人に打ち明けることが出来ずにいる方を見かけます。
今回は、「赤ちゃんが欲しい人の本」で紹介している性行為に関わる診断や治療方法をみていきましょう。

ひとりで悩まずにまずは医師に相談を

赤ちゃんを授かるためにはセックスをしなければなりません。
ですが、そのセックスがうまくできない人がいます。
家族や友人にも言えないデリケートな問題ですが、悩んでいる人は多いです。
これらの問題について不妊治療として相談に乗ってくれます。
不妊症の専門医あるいは婦人科医にとって、セックスができない事は特別なことではありません。
些細なことでも相談してみましょう。

セックスが上手くできない原因は、大きく分けると次のふたつになります。
1つ目は、膣や外陰部などに器質的(構造的)な原因がある場合2つ目は精神的な問題がある場合です。
どちらの場合であっても内診や問診によって、「なぜセックスができないのか」という原因を探ります。
その上で特に問診は重要です。話しづらいことも感じるかもしれませんが、基本的に不妊症の専門医であれば患者の事情は心得ていますから、安心して話して打ち明けてみましょう。
その際に先生との相性もあるでしょうから、先に信頼できそうな医師を探し、診察を受けたうえで判断しても遅くはありません。

膣に問題がありセックスができない

膣は筒状の性器で、内壁はやわらかい粘膜組織で構成されています。
普段はちょうどトイレットペーパーの芯がつぶれたように閉じた状態ですが、セックスの際に男性のペニスが膣へ挿入されると、内壁が広がります。
通常はペニスを受け入れるだけの柔軟性が膣にはありますが、人によっては生まれつき膣の粘膜が非常に硬かったり(膣強靭)、膣が筒状になっていなかったり(膣閉鎖)、膣の内腔が非常に狭かったり(膣狭窄)する人がいます。
これらは内診すれば分かることです。
膣の状態によってセックスをすることが不可能と診断されれば、手術(膣形成術や膣拡大)を行います。

子宮内膜症があるため、痛くてセックスができない

子宮内膜症があることで、セックスの際に痛みを感じる(性交痛)ことがあります。
これは、子宮内膜症によって子宮の周辺組織が癒着を起すためで、セックスによってその癒着部分が圧迫されると痛みを感じます。
痛みの度合いは人によってさまざまですが、セックスが苦痛になるほど痛いようであれば、子宮内膜症自体が進行している可能性があります。
性交痛だけでなく、卵管障害や着床障害などを起す可能性もあるため、子宮内膜症への治療が必要です。

性に関するつらい思い出などでセックスに対して嫌悪感がある

性に関するつらい思い出が心の負担になっている場合もあります。
レイプや痴漢などの被害、望まない性行為を強要されたなどの経験がその人の深い心の傷となってしまうと、セックスに対する嫌悪感につながります。
そのため心を許せるパートナーであっても、セックスをすることができない、拒絶反応が出てしまうという事態になります。
このような場合は、まず心の問題を解決することが先決です。
専門のカウンセラーによるカウンセリングを受けながら、心を癒して良い方向へ進めるようにします。

自分の体に自信がなくセックス拒否につながっている

自分の性器がほかの人と違うのではないか、と悩んでいる人もいます。
特に外陰部の形にこだわる人がいて、左右対称でない、色がきれいではないなどをとても気にします。
そのため、自分に自信が持てず、セックスができないことがあります。
たいていの人は、婦人科医に「大丈夫、問題ありませんよ」といわれれば納得するのですが、なかにはそれでも納得できず、思い詰めるほど悩んでしまう場合があります。
このような場合も、心の問題を解決する必要があり、専門のカウンセラーによるカウンセリングを受けるようにすすめられます。

膣への異物感・抵抗感でセックスや内診を受け入れられない

膣の中は自分では見ることができません。自分の体でありながら、未知の部分といえます。
そのため自分の膣に男性器が挿入されることへ恐怖心を抱く人もいます。
なかには恐怖心が強すぎて、セックスしたときに膣けいれんを起すことさえあります。
またセックスだけでなく、内診もこわいという人もいます。
そのような人は内診台に上がると、体がすっかり緊張してしまって足を広げることができません。
そのため医師が膣などの状態を見ようとしても、何もできないまま診察が終わってしまうことすらあります。
このような場合は、恐怖心を取り除くトレーニングが良いでしょう。
例えば、生理で使われるタンポンなどを自分で膣に入れる練習をしてみます。そうすることで膣の内腔が広がることや乱暴にしなければ痛くないことなどを実感できます。
セックスへの恐怖心が強すぎる場合は、精神安定剤を使うこともひとつの方法です。
セックスの際にスムーズな男性器を受け入れるために、潤滑剤を使うこともオススメです。

しかし、そのようなトレーニングをしても、どうしても男性器を受け入れられない人もいます。
その場合には、夫婦双方が納得できるのであれば、人工授精を行うことがあります。
セックスについて打ち明けることは、とても勇気のいることだと思います。
クリニックへ相談に来る方の中には、大好きな相手を受け入れられないと悩む方もいます。ですが、セックスに対する思いは人それぞれなので、どうか自分が悪いと思わないでください。
さまざまな理由でセックスが出来なくても、心のケアで少しずつ心を開いていくこともできます。最初にお伝えしたように、ひとりで悩まずいつでも私たちを頼ってくださいね。


Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ