女性側の不妊原因 その2.卵管障害の診断方法と治療方法

2018年12月7日

赤ちゃんを授かる上で、卵管は精子や受精卵の通り道になります。
その通り道が詰まっていたり、せまくなっていたりする状態を卵管障害といいます。
この障害は、不妊原因の約30~40%を占めます。
今回は、卵管障害の原因や診断方法、治療方法についてお話します。

卵管障害の原因はさまざま

卵管は鉛筆の芯のように細く、なんらかの原因で炎症が起こると、詰まってしまったり、内腔がせまくなってしまったりします。
卵管に炎症を起す原因として多いのは、クラミジア感染症などの性感染症です。
また、子宮内膜症で子宮内膜が卵管に付着すると、卵管が詰まることがあります。
腹腔内に子宮内膜が付着し、卵管と周囲との癒着が起こり、卵管が変形して詰まることもあります。
1.クラミジアなどの感染
クラミジア感染症かどうかについて調べるためには、血液検査や尿検査、子宮頸管塗抹検査(子宮頸管の粘液を綿棒などで一部とる検査)などを行って調べます。
その結果、クラミジア感染が分かれば抗生物質を使って治療します。
卵管障害がある場合には、クラミジア感染が治っても障害が解消するわけではありませんので、引き続き不妊治療が必要になります。
2.子宮内膜症による癒着
子宮内膜症とは、子宮を覆っている子宮内膜がなんらかの原因で、子宮以外の場所に飛びそこに根付いてしまう病気です。
根付いた場所で子宮本来の機能(増殖や剥離)が行われます。
最初は小さな内膜からの出血ですが、繰り返すうちに病巣部は大きくなり周囲の組織と癒着が起こります。
病状に合わせて治療を行っていきます。軽度であれば、薬で一度閉経状態にすることで生理が止まり、病巣部も症状が止まることで萎縮します。
その間、排卵が抑えられるので妊娠ができません。
もし年齢的に時間の余裕がない場合は、早々に体外受精などの高度医療へ進むことがあります。

卵管障害を診断する方法とは?

卵管障害の有無を調べるには、子宮卵管造影検査や通水・通気検査を行います。
卵管が少しせまくなっていた場合、検査によって卵管が広がる治療効果が期待できます。
なお、卵管の開口部である卵管采の異常は、子宮卵管造影検査だけでは発見が難しく、腹腔鏡検査などで発見されます。

左右の卵管状態で治療が変わる

女性の生殖器の構造から、卵管は子宮を中心に左右に存在します。
卵管が左右とも受精卵などの通過可能な状態であれば、タイミング指導を行っていきます。
ですが、もし片方あるいは両方とも塞がっていた場合、それぞれに合わせた治療を行っていきます。
1.片方に卵管障害があった場合
検査によって卵管障害が発見された場合、片方の卵管が詰まっていても、もう片方が健全なら妊娠は可能です。
その場合は、タイミング指導を続け様子をみます。
片方の卵管だけでは左右ともに卵管が使用できる状態に比べ妊娠率が下がるので、妊娠率を上げるために排卵誘発剤を使うことがあります。
2.両方とも卵管障害があった場合
検査の結果、両方の卵管が完全に詰まっていたり、卵管障害以外の不妊原因が重複していたりすることがあります。
その場合、一般不妊治療では妊娠が不可能もしくは大変になるため、体外受精へ進みます。

卵管障害が起きた部位ごとの処置

よく卵管は1本の同じ太さの管だと思う方がいますが、実は細かったり太かったりします。
卵管は子宮側から間質部、峡部、膨大部、采部で成り立ちます。
少し専門用語で難しいですが、このあと部位ごとの処置についてお話しますので、知識として心に留めておいてくださいね。

卵管間質部・峡部での処置について

卵管障害によって、卵管間質部・峡部がせまくなっているのであれば選択的卵管造影、または子宮鏡検査、卵管鏡などの精密検査を行います。
検査の際に、内腔が広がって卵管が通ることもあります。
検査の結果、軽い卵管障害であれば、タイミング指導などを行って、様子をみます。

片方の卵管が完全に詰まり、もう片方もせまくなっている場合は、卵管を広げる卵管形成術という手術を行います。
卵管はとてもせまいので、マイクロサージェリーという顕微鏡を使って手術します。
ただ、卵管が通ったとしても、妊娠するとは限りません。
年齢的に余裕がない場合は、手術ではなく体外受精へ進みます。

卵管膨大部での処置について

卵管障害が卵管膨大部で起こり、通り道がせまくなっている場合は、卵管形成術を行って広げます。
ただし、年齢的に余裕がない場合は体外受精に進みます。

卵管膨大部が詰まってしまう原因のひとつに卵管水腫があります。卵管水腫とは、卵管が詰まって管内にうみや水がたまった状態をいいます。
卵管内に細菌が感染したことで炎症が起こり、卵管の先にある卵管采まで炎症が広がります。
こうなると、卵巣から排卵があっても、卵管采が卵子をとり込めなくなってしまいます。
このような場合でも、片方の卵管が詰まっているだけなら、妊娠の可能性はあります。

卵管障害の治療が進むことで、タイミング指導で様子を見ていきます。
卵管の状態に合わせて治療を進めていきますが、本人のご事情に合わせた選択もご案内することが可能です。
そのためにも、1人で抱え込まずに私たちに相談してみてくださいね。


Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ