人工授精は意味がない?!不妊治療のウソとホント

2018年11月8日

不妊治療を進める上で、人工授精や体外受精という言葉をよく耳にします。
人工授精は古くからある不妊治療のひとつです。
また、体外受精は近年の技術の進歩により確立してきた不妊治療といえます。
不妊治療を進めていく方の中には、人工授精を進めていくべきなのか、それとも体外受精に取り組むべきなのかを迷われる方も多いでしょう。

医院の中には、人工授精より体外受精を勧めるお医者さんもいますが、本当に体外受精の治療を進めていくべきなのか、しっかりと選ばなくてはいけないポイントとなります。

今回は人工授精や体外受精の違いが分かりづらいと感じる方のために、それぞれの違いや不妊治療の選び方についてみて行きましょう。

人工授精とは?

採取した精子の中から運動が良好な精子だけを選別・濃縮し、タイミングに合わせて子宮に入れる技術です。
人工授精は2種類あり、精子の提供者がご主人であれば配偶者間人工授精(AIH)、別の提供者であれば非配偶者間人工授精(AID)となります。

メリットとして人工的にベストタイミングを作り出せるので、一般不妊治療を行ってもうまく妊娠しない人などに提案している治療です。
精子や卵に大きな異常がない方に適しています。
方法として、やわらかいチューブを用いて行うため、痛みはほとんどありませんが、場合によっては出血や痛みを伴うこともあります。
なお、人工授精は1回あたりの治療費が1~3万円程度です。

体外受精・顕微授精とは?

良質な成熟卵を多く採取し、受精させて初期胚もしくは杯盤胞まで育ててから、子宮に戻す技術です。
受精の方法によって体外受精か顕微授精かに分かれます。

体外受精:卵子に選別・濃縮した精子をふりかけ、精子の力で受精させる。
顕微授精:良質な精子1匹を極細の針で卵子に注入し、授精させる。

卵管を使わないので、卵管がない方や詰まっている方、また精子の動きが悪い方、人工授精で数回以上結果が出せなかった方に適しています。

体外受精を成功させるためには、よい卵子がたくさん必要となります。
なぜなら卵子を採取してもその卵子が受精でき、その後も順調に細胞分裂をして良好胚になる確率は約50%とされているからです。
そのため、事前に排卵誘発剤を使って卵巣を刺激し、複数の成熟卵胞を育てる必要があります。
人工授精に比べ高度な技術を求められるため、治療費は平均で30~40万円程度です。

人工授精と体外受精の妊娠確率

人工授精と体外受精の妊娠率をみたとき、人工授精の妊娠確率は一周期あたり5~10%に対して、体外受精の確率は若干上がります(「先生!私は妊娠できますか?」より参照)。
たとえば、40歳の女性が体外受精をした場合、だいたい20%というところです。

しかし不妊治療を受けている方にとって、確率なんて0%か100%かと思います。
数字でみて20%は少ないけれど、数回繰り返せば妊娠率は格段に変わっていくでしょう。
数多くある医院の中には、できるだけ確率の高い技術で早く授かるようにした方が、結局は時間を無駄にしないという考えで体外受精を推奨しているところもあります。
そのこともあり、はるねクリニックを受診された方の中には、以前通っていた病院で体外受精を勧められ、人工授精はやっても意味がないと思われていたなんてことがありました。
体外受精や人工授精を選ぶ際に考えてほしいことは、治療を受けるご自身の体やお金のこと。それがなによりも大事です。

不妊治療の選び方

女性の排卵の状態や男性の精子の状態によって、不妊治療はさまざまな取り組み方法があります。
下記のような場合があてはまる方には、人工授精あるいは体外受精の方法が薦められるでしょう。

人工授精が適用される方

・タイミング指導をしてもなかなか妊娠ができない

・女性側に子宮頸管粘液不全や抗精子抗体などがあり、精子が子宮に入るのが妨げられている

・男性側の精子の数が少ない、あるいは運動性が悪い

・性機能障害があり、性行為がうまくできない

・原因不明の機能性不妊がある

体外受精が適用される方

・両方の卵管が、完全に詰まっている

・重度の男性不妊

・原因不明の機能性不妊(38歳~40歳以上であれば、できるだけ早いのが望ましいです)

・一般不妊治療を2年ほど受けたが、妊娠しない

一般的に不妊治療の流れとしてタイミング法、排卵誘発法、人工授精、体外受精の順にステップアップします。
医院の中には、体外受精のみの医院もあるので、相談前にホームページなどで確認しておくと対応の幅が広がると思います。

はるねクリニックでは、ご本人に妊娠できる力がある場合や治療を望んでいない場合は、無理にステップを進めることはありません。
なぜなら、高度生殖医療は金銭的にも身体的にも負担が大きいものだからです。もちろん体外受精が悪いわけではありません。体外受精だからこそ生まれてくる命だってたくさんあります。

専門的な部分はその都度アドバイスしますが、経済的な理由や体にかける負担をいろいろ考えて、ステップダウンしたりお休みしたりすることも選択肢に入れていいんです。
検査結果で体外受精の方がよい場合には、その旨もお伝えしています。

人工授精や体外受精のそれぞれにメリット・デメリットが存在します。
ご自身の体や経済面をしっかりと考慮して、無理のない不妊治療に取り組んでいきましょうね。
妊活


Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / お知らせ