不妊治療で行われるタイミング指導や人工授精について

2019年3月22日

不妊治療を受けることになったら、よく耳にする言葉として「タイミング指導」や「人工授精」が多いと思います。
初めての不妊治療の場合、専門用語の多さに不安になる方もいますが、一人ひとり納得して治療を進められるよう言葉をわかりやすくすることにスタッフ一同努めています。
今回は、一般不妊治療で行われる「タイミング指導」と「人工授精」が実際にどんなことをするのか、見てみましょう。

タイミング指導

基礎体温を測って自分で排卵日を予測します。これをパワーアップさせたものがタイミング指導です。
基礎体温の観察だけではある程度の排卵日しか予測できませんが、病院では卵胞の大きさを超音波検査で見たり、尿中のホルモン値などを測定したりすることができるので、もっと日時を絞り込んだ予測ができるのです。
その予測に基づいて、医師から「明日、夫婦生活をしてくださいね」というような指示があります。

いろいろな角度から排卵日を予測するタイミング指導

●基礎体温を観測する
基礎体温が低温相から高温相になる前後に排卵が起こるとされています。
基礎体温を観察していれば、おおよその排卵日がわかるので医師も基礎体温を重視しています。

●頸管粘液検査
排卵前になると分泌量が増える子宮頸管粘液は、顕微鏡で見たときに粘液の結晶がシダの葉のように見えます。
このことから、頸管粘液を採取して顕微鏡で観察すれば、もうじき排卵が起こるということがわかります。

●ホルモン値
黄体化ホルモン(LH)の分泌量は、排卵の20~40時間前になるとピークに達します。
尿検査でその値を調べれば、もうじき排卵が起こるということがわかります。

●卵胞の大きさを観察する
卵巣内の卵胞は排卵の1~2日前になると、直径18~20mmほどになります。
卵胞の大きさを超音波検査で計測すれば、「明日が排卵日」というように予測がつきます。

人工授精

人工授精とは、人の手を介して精子を子宮に授けること。
つまり採取した精子を直接、子宮に注入する方法です。妊娠率は5~20%と、それほど高くありません。
1回目、あるいは4~7回目ぐらいで成功ということが多いようです。
無制限に人工授精を行っても妊娠するとは限らないので、5~10回ぐらいをめどに次の治療(体外受精など)を考えます。

●AIHとAID
通常、人工授精には夫の性液を使いますが、夫が重度の無精子症のため精子がまったくない場合や、重大な遺伝的疾患がある場合などでは、第三者の精子を使うことがあります。
両者を区別するため、夫の性液を使う場合をAIH(配偶者間人工授精)、第三者の精子を使う場合をAID(非配偶者間人工授精)と呼びます。AIDの場合、戸籍上は実子になりますが、実際には夫とはつながっていないことになります。事前に夫婦で十分に話し合う必要があります。
国によっては精子バンクが存在し、精子が売買されてAIDに使われることがありますが、日本では売買は認められていません。
日本ではAIDを行う病院自体が限られていて、医学部の学生などがボランティアで精子提供者になることが多いようです。

人工授精はこうして行われる

1.排卵日を予測
タイミング指導と同じ方法で、排卵日を予測します。

2.排卵日に合わせ、精液を採取
病院の採精室でマスターベーションによって精液を採取します。あるいは、自宅で朝採取してから病院へ届けます。

3.採取した精液を子宮内に注入
精液を専用の注射器にとり、子宮内に注入します。

男性側の妊娠率アップをさせるために

精液の中には元気な精子のほかに、白血球や脂肪球、奇形や未熟な精子、死んだ精子などが含まれています。
そうした精液をそのまま人工授精するよりも、洗浄・濃縮して元気な精子を選別したうえで人工授精したほうが、妊娠率が上がるとされています。
選別方法としては、主に次の2つがあてはまります。

密度勾配法
精液を遠心分離器にかけることにより、生きている精子と死んでいる精子を選別する。

スイムアップ法
精液と培養液を混ぜ合わせ、浮き上がってきた元気のいい精子を選別する。

女性側の妊娠率アップをさせるために

人工授精の前に排卵誘発剤を使うこともあります。
排卵誘発剤で成熟卵をたくさんつくっておけば、受精のチャンスが増えて妊娠の確率がそれだけ上がるからです。
ただ、利用の際にはご自身の体調がなにより大切ですので、何かあれば医師に相談しましょう。

焦らず納得して不妊治療へ

不妊治療に伴い検査をすることは、多くなっていきます。
検査結果をもとに夫婦生活を営むことはとても大切になります。ただ注意してほしいこととして、タイミング指導を行うことで夫婦の営みを義務に感じてしまう方もいるということです。
そういう時は、無理をせずたまにはお休みを取ることもひとつの選択です。
2人のペースで不妊治療と向き合うことが大切です。
はるねクリニックでは、女性だけでなくご夫婦で相談に来る方々もいます。
いつでも私たちに悩みを打ち明けてくださいね。


Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ