不妊治療で行う注射薬はどういうものがあるの?

2019年9月9日

不妊治療では、薬との付き合いが欠かせません。
その中には、注射での投与があります。
はるねクリニック銀座でも患者さんのご状況に合わせて注射剤を投与します。
不妊治療の注射にはどのような種類があるのかについて解説していきます。

hMG注射とは?

hMGとはヒト閉経後ゴナドトロピン(human menopausal gonadotropin)といい、閉経後の女性の尿から抽出して作成されました。
閉経後の女性の卵巣機能は低下するため、卵巣を刺激しようと脳下垂体から大量のゴナドトロピンが分泌され、尿中に排出されます。
その尿より抽出して、hMG製剤を作ったことが始まりです。
今は、遺伝子組み換え技術によって合成させたFSH製剤もあります。
これらの製剤は主医師が患者さんのホルモン量や治療への反応を見ながら選択していきます。

FSH・hMGの使い分け

FSHは年齢が若かったり、血中のLH濃度(黄体形成ホルモン濃度)が高かったりする方に用いられます。
また、多嚢胞性卵巣の方や元々排卵がある方にも適用します。

卵胞成熟ホルモン(FSH)製剤の注射には、フォリスチム、ゴナールF、フォリルモンPがあります。
※薬の分類について、ご確認お願いします。

hMGは下垂体の機能低下がみられる方、年齢が高い方、FSHで試したが良好な反応が得られなかった方、血中のFSH濃度(卵胞刺激ホルモン濃度)が高い方に用いられます。

下垂体性性腺刺激ホルモン製剤の注射として、HMGフジ(筋肉注射)、HMGフェリングがあります。
※薬の分類について、ご確認お願いします。

hCG注射とは?

hCGとは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin)という胎盤から抽出したホルモンです。
発育した卵胞を排卵させる機能、黄体の維持や活性化に作用します。

直接、卵胞を刺激し排卵させる注射剤に、オビドレルを使用します。

hMG/FSH注射、hCG注射のタイミングは?

排卵前の低温期にhMG/FSHを注射して、その後に成熟した卵胞をhCG注射によって排卵させる治療法をゴナドトロピン療法(hMG/FSH-hCG療法)といいます。

これにより、タイミング指導で「明日、夫婦生活をしてくださいね」といった指示がでます。
後日、着床や妊娠に関する黄体ホルモンの分泌状態を確認します。

ライフスタイルに合わせて自己注射も増えてきました

通院回数の多さや費用の負担を減らすために、自己注射に取り組む方が徐々に増えてきました。
自己注射と聞くと、「怖い」、「痛い」と思う方も多いかと思いますが、以前までシリンジタイプの注射の印象からそのイメージが根強いと思われます。
最近では、ペン型の皮下注ペンというものが出てきました。皮下注ペンについてお話しします。

皮下注ペンを使用する際に必要なもの

・自己皮下注ペン
・注射針
・消毒用アルコール綿
※アルコールアレルギーがある方は主治医の指示に従ってください。
・注射針廃棄容器

自己注射部位について

<前面>腹部(左右)、大腿前部(左右)
<背面>上腕(左右)、臀部(左右)

自己注射の部位については、ナースや主治医に確認してから投与しましょう。

皮下注ペンの使用方法

(1) 手をよく洗う
手の表面には、目に見えない菌が多く付着しています。石けんを使い、しっかり洗いましょう。

(2)皮下注ペンのキャップをはずす
外箱、ラベルに記載された使用期限を過ぎたものは使用できません。
薬液に着色・濁りがある場合には、主治医に指示を仰ぎましょう。
使用不可の場合、主治医の指示に従って廃棄してください。

(3)ゴム栓を消毒する
消毒方法として、ゴム栓部分を消毒用アルコール綿でぐりぐりとふき取らないようにしましょう。

(4)注射針を取り付ける
注射のたびに新しい注射針をご使用ください。注射針の再利用はできません。
針の取り付けで時計回りにきつく閉めすぎるとはずれないことがあります。
針ケースの回転が止まるまで指先で軽く締めるだけでいいです。

(5)空気抜き
大きな気泡が薬剤内にあった場合、皮下注ペンをゆっくり上下に向けることで、薬剤内の気泡を集めることができます。
小さな気泡は投与に影響ありません。針先から薬液のしずくを出しましょう。
空気抜きは2回目以降の注射では行わなくていいです。

(6)皮下注射をする
投与量を設定・確認し、自己注射部位を消毒します。
投与量表示窓を上に向け、針を刺し注入ボタンを押すことで、皮下注射ができます。

設定した投与量が0になれば投与完了です。
このとき、注射部位については主治医の指示に従ってください。
1回ごとに注射部位を変え、連続して同じ部位に注射しないようにしましょう。

(7)ボタンを押したまま針を抜く
投与箇所を消毒用アルコール綿で軽く押さえた後、注射部位をもまないようご注意ください。

注射が終わったら

針を取りはずし、用意していた注射針廃棄容器に針を廃棄します。
皮下注ペンの保管については、皮下注ペンのキャップをしめた後に光の影響を受けないように外箱に入れてください。
使用前の皮下注ペンは、2~8℃の冷蔵庫の中などで保管しましょう。
使用中の場合は、再冷蔵しないで25度以下の環境で保存できます。

安心・納得して取り組む不妊治療

はるねクリニック銀座では、不妊治療に取り組む前に無料不妊セミナーの参加や心理カウンセラーによる生殖心理カウンセリングによって、患者さんの不安や疑問、ストレスの軽減に力を入れています。
より良い治療を患者さんが選択できるようこれからも精進してまいります。
悩みを抱え込まず、まずは私達に相談してくださいね。


Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ