不妊の原因になる病気「子宮内膜症」とは?

2019年6月21日

女性の晩婚化とともに、不妊原因として増えてきた「子宮内膜症」
子宮内膜症は20代~40代と幅広い層で発症しやすい病気です。
子宮内膜症は、不妊症や月経困難症などの痛みがある方もいれば、
そうでない方もいます。子宮内膜症を放置してしまうと、赤ちゃんを欲しいと願う方にとって大きな障害になりますので、今回は子宮内膜症について詳しくお話ししましょう。

子宮内膜症とは、子宮内膜が子宮以外のところに飛ぶ病気

子宮内膜症は、本来は子宮の内側をおおっている子宮内膜が、なんらかの原因で子宮の内腔以外の場所(卵管、卵巣、腹腔など)に飛び、そこで根づいてしまう病気です。
本家の子宮内膜と同じように、増殖とはく離を繰り返します

つまり、生理のときには、子宮以外の場所にあっても、内膜がはがれ落ちて生理のように出血します。
最初はごく小さな内膜からの出血ですが、繰り返しているうちに病巣部が大きくなり、出血した場所が周囲の組織と癒着を起こすなど、悪影響をおよぼすようになります。

晩婚化にともない増えてきた病気

子宮内膜症の原因はいまのところ、不明です。
月経血が逆流して卵管や腹腔のほうへ流れてしまい、子宮内膜が子宮以外の場所に飛ぶのではないかという考え方もありますが、はっきりしていません。
また、この病気にかかる人は、20代から30代の女性を中心に近年増えています。
このことから、女性のライフスタイルの変化との関連もいわれています。
というのは、子宮内膜症は生理を繰り返すたびに悪化する病気だからです。
逆にいうと、生理をしばらく止めると病巣部は萎縮し、軽いものであれば治ってしまいます。

ところが、女性の結婚年齢が高くなり、妊娠・出産で生理が止まるということがないまま、年齢を重ねる人が増えています。
そのことが子宮内膜症を増加させているのではと、推測されています。

子宮内膜症はどうして不妊症と関係があるのか?

子宮内膜症は卵管や直腸、子宮外膜などで起こります。なかでも多いのが卵巣です。
卵巣に子宮内膜症が起こると、生理のたびにそこで出血するようになり、放って置くと血液が卵巣内にたまってしまっています。
まるで溶けたチョコレートのような古い血液が卵巣内にたまることから、これをチョコレート嚢腫といいます。
そのような状態になると卵巣本来の働きをすることができなくなり、排卵障害を起こします。
また、子宮の筋層部分で子宮内膜症が起こることもあり、これを子宮腺筋症といいます。
そこだけ分厚くかたくなり、着床障害を起こします。
卵管や腹腔内に起こった子宮内膜症でやっかいなのは、周囲の組織と癒着を起こすことです。
特に、卵管が癒着を起こすと、変形して内腔がせまくなったり、詰まってしまったりと卵管障害を招きます。

病巣部が大きくなると、生理痛などの症状が強くなる

症状として多いのは、徐々にひどくなる生理痛。以前よりもひどくなったという場合は、要注意です。
病巣部と周辺組織との癒着がひどくなると、ふだんから腰痛下腹部痛排尿痛性交痛などが起こるようになります。

病状は、1微小、2軽度、3中等度、4重度の4つに分けられます。
診断は、内診や症状、超音波検査、血液検査などでだいたいつきますが、3や4まで進んでいるような場合は、腹腔鏡検査を行って病巣部を確認します。

治療や薬で閉経状態を作り、病巣部を萎縮させる

病状が1や2であれば、スプレキュアやナサニール、リュープリンなどのGnRH剤(LHサージ剤)を使い、一時的な閉経状態をつくり出して治療します。
子宮内膜症の薬は、排卵を抑制し一時的に生理を止める働きがあります。
この働きを利用し、生理が止まっている間に病巣部が小さくなることを期待して使います。
点鼻剤で鼻の粘膜から成分を吸収させます。

生理が止まれば、子宮以外の場所に飛んだ子宮内膜も増殖・はく離を繰り返すことがなくなり、病巣部が萎縮します。
薬は約4~6ヶ月続けます。薬をやめて2~3ヶ月後に、生理が再び始まります。
合わせて約6~8ヶ月ですが、その間は、排卵が抑えられるので妊娠できないことになります。
ですから、年齢的に時間の余裕がない人の場合は、早々に体外受精などの高度医療へ進むことがあります。
病状が3、4まで進んでいる場合は、腹腔鏡検査の際に癒着部分をはがすこともします。

チョコレート嚢腫の場合は、エタノール注入法で卵巣を温存

チョコレート嚢腫に対しては、以前は卵巣を摘出する治療が一般的でしたが、現在は卵巣嚢腫のみを摘出する温存法が一般的になってきました。
温存法のひとつとしてエタノール注入法があります。
これは、膣から卵巣に向かって針を刺して卵巣内にたまった古い血液を吸引し、代わりにエタノールを注入して卵巣の膜を固定する方法です。

早期発見のためにも定期的に検診しましょう

子宮内膜症の自覚症状は、月経痛が回数を重ねるごとに痛みが強くなることです。
また、子宮内膜症には遺伝が関係するといわれているので、母または姉妹で子宮内膜症を患ったことがある方がいれば早めに婦人科で検査してもらうとよいでしょう。
早期発見することで病気の進行を抑えられますので、少しでも不安があればはるねクリニック銀座までお電話くださいね。


Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ