不妊の原因になる病気「クラミジア感染症」とは?

2019年8月26日

特定の病気が関係して妊娠しづらくなっていることがあります。
その内の1つが、クラミジア感染症です。
クラミジア感染症について解説していきます。

クラミジアとは?

クラミジアとは、クラミジアトラコマチスという微生物が病原菌で、性器やのど、直腸などに感染して炎症を起こします。
クラミジア感染症は、性行為を通じて感染する性感染症の一種です。
正式な病名は「性器クラミジア感染症」といいます。

性器クラミジア感染するとどのような症状が?

男性がクラミジアに感染した場合、感染から1~2週間の間に初期の尿道炎が起こります。
排尿時に痛みまたは熱が伴う、尿道から膿がでるといった症状が当てはまります。
膿は透明から乳白色、サラサラな液体、とあまり粘り気がありません。

感染した状態で放置してしまうと、クラミジアが尿道の奥へ入り込んでしまいます。
尿道の奥には、前立腺が存在し、この臓器は痛みを感じる神経があまり無いので、自覚症状がほとんどなくなってしまいます。
さらに、前立腺炎を放置してしまうと、前立腺の奥にある睾丸(精巣)へ菌が移動してしまうことがあります。
睾丸の周りにある副睾丸(精巣上体)が病原菌を捕らえることで副睾丸炎(精巣上体炎)が起こります。
このとき、睾丸から太ももの付け根(そけい部)にかけて激痛や高熱を伴います。
2つ存在する睾丸がどちらも副睾丸炎になったら不妊症を引き起こす危険が高くなります。
少しでも違和感があったらすぐに病院に行って診察を受けましょう。

一方、女性がクラミジア感染にかかった場合、クラミジアの感染は上行感染といって、子宮頸管や子宮内膜、卵管、腹腔へと広がっていき、それぞれの場所で炎症を起こします。
すなわち、子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎などを起こします。
主な症状として、おりものの増加や生理以外の出血、下腹部の痛み、性交痛の痛みがありますが、自覚症状があまりないため、感染に気づかないまま慢性化させてしまうケースが多いこと。
これが不妊症との関連で問題になります。

子宮頸管の通過障害や着床障害、卵管障害などが二次的に起こる

子宮頸管炎が慢性化すると、頸管の組織が破壊され、頸管粘液の分泌が悪くなるという頸管粘液不全を起こしがちです。
そうなると、精子が子宮頸管を通過できないということになってしまいます(子宮頸管の通過障害)。
また、子宮内膜炎によって受精卵が着床しづらくなったり(着床障害)、卵管炎によって卵管がせまくなったり、詰まってしまう(卵管障害)ことがあります。
腹膜炎の場合も、子宮や卵管、卵巣と腹膜組織との癒着が起こりがちです。
このように、ほうっておくと不妊症へつながりますので、クラミジア感染症は女性にとってはかなり要注意の病気といえます。

治療は抗生物質を使うが、パートナーも検査・治療が必要

クラミジア感染症かどうかは、血液検査や尿検査、子宮頸管塗沫検査などを行って調べます。
その結果、クラミジアの感染がわかれば、抗生物質(クラビット、ジスロマック、クラリス、オゼックスなど)を使って治療します。
治療で大切なのは、必ずパートナーも一緒に(検査をして)治療すること。そうでないと、せっかく治っても、また感染してしまいます。
なお、子宮頸管の通過障害や着床障害、卵管障害などが起きている場合は、クラミジア感染症が治ってもそれらが解消するわけではないので、ひき続き、不妊治療が必要です。

クラミジア感染は性器以外でも温床に!

最近では、オーラルセックスの認知が昔に比べ増してきたことにより、のどへクラミジアが温床するケースも出てきました。
咽頭クラミジアによる咽頭炎は、咽頭痛や発熱などの症状がほとんどありません。
見た目においても明らかな所見はなく、咽頭所見も乏しい現状があります。
そのため、本人の申告以外、咽頭感染症を疑うことは困難になります。

性器からクラミジアが検出された方、パートナーと性行為はないがキスなどの接触があった人とそのパートナーは、一度検査をしてみるといいでしょう。

検査方法としては、のどの奥を綿棒で拭う方法やうがい液で検査する方法があります。性病検査のときに合わせて行うことをオススメします。

背後から忍び寄る「クラミジア感染」

いかがでしたか?クラミジア感染は、決して他人事ではありません。
感染率も年々横ばいの一途を辿っています(1)。
やっかいなことに、クラミジア感染は自覚症状があまりないため、発症に気づくのが遅くなりがちです。
子供を授かりたいと思ったとき、不妊専門医院であれば性病検査も行うことが大半ですが、一般の婦人科だと自己申告によって検査することもしばしばあります。
通院を考えている病院において、どのような検査が受けられるのか把握しておきましょう。
はるねクリニック銀座では、不妊治療をはじめ性病検査も行っております。まずはお気軽にご相談くださいね。

参照先:
(1) 国立感染症研究所, 若年者で増加してきている性器クラミジア感染症, https://www.niid.go.jp/niid/ja/chlamydia-std-m/chlamydia-std-idwrs/8395-chlamydia-181030.html


Posted by 東京 銀座 不妊治療 婦人科 女医|はるねクリニック銀座 / 院長ブログ